シンポジウム・研究会
コザ暴動プロジェクトin大阪

Posted at : 2016-10-10


コザ暴動プロジェクトin大阪
「都市と暴動」

開催趣旨

「コザ暴動プロジェクト」は、いわゆる「コザ暴動」を撮った写真展を中心に、映画・ビデオ上映・シンポジウムなどの関連企画を展開する活動として2015年12月に沖縄市(コザ)で始まった。今回の大阪での開催は、2016年4月に明治大学で開催された「コザ暴動プロジェクトin東京」に続く、本土で2回目の企画である。

「コザ暴動」は、米兵の起こした交通事故をきっかけに、米国統治下の1970年12月20日未明から明け方にかけて、コザ市内で発生した。当時、米兵による凶悪事件や性暴力が日常茶飯事であり、彼らはその罪を償うこともなく許ざれた。この不条理に対する住民の怒りは、事故処理にあたっていたMPが群衆に取リ囲まれて威嚇発砲した時、爆発した。群衆は周辺に駐車していたMPや米人の車両を次々と横倒しにして火を放った。数千人の群衆は、米軍および琉球警察と、一触即発の緊張のなかでにらみあった。

「コザ暴動プロジェクト」はこうした住民の行動をあえて「暴動」と呼ぶ。それは怒れる民衆を「暴徒」とみなす危うさはらんでいるが、温和で友好的と評ざれる沖縄の人々が、鎮圧者が「暴動」というほどの激烈な怒りで表現したことの意味を、戦後71年目の沖縄と日本で改めて問い直す必要がなかろうか。本企画の写真展とギャラリートークは、「現場写真」の力とそれを撮影した写真家の声を通して、怒れる民衆の表現を大阪で再現する。

しかしながら、こうした「暴動」は沖縄のみで起こったわけではない。本企画が開催される大阪では西成区の釜ヶ崎において日雇い労働者による戦後24回もの「暴動」が発生している。戦前に目をやれば、首都東京でも1905年に日露戦争の講和条約に反対する集会が大規模な「暴動」へと展開した「日比谷焼打ち事件」がある。本企画は「都市と暴動」をテーマとするシンポジウムにおいて、これら三都市で発生した「暴動」の歴史・地理的背景、展開過程、参加者属性、社会的意義を比較検討しつつ、なぜ都市は「暴動」を生み出し、なぜそれは今も語り継がれるべき出来事たりうるのかを考えたい。

開催内容

主催:「都市と暴動」シンポジウム実行委員会(代表:山﨑孝史)
共催:コザ暴動プロジェクト実行委員会(代表:國吉和夫)
共催:人文地理学会政治地理研究部会(代表:北川眞也)
財源:JSPS科研費「軍事的圧力に抗う文化的実践―沖縄とパレスチナにおける地誌編纂と景観修復」(15K12954)、同「グローバル化の新局面における政治空間の変容と新しいガバナンスへの展望」(15H03277)(いずれも研究代表者:山﨑孝史)
協力:大阪市立大学地理学教室(依頼中)、大阪市立大学都市研究プラザ、沖縄市役所総務部総務課市史編集担当(依頼予定)、CR-ASSIST地域・研究アシスト事務所(依頼予定)
後援:琉球新報、沖縄タイムス、関西県人会系組織(いずれも依頼予定)

プロジェクトホームページ(チラシ・ポスターダウンロード可能)
http://polgeog.jp/archives/782

■「コザ暴動」写真展

期日: 2016年12月16日(金)~18日(日)
時間: 午前10:00~午後6:00(入場無料)
場所: 大阪市立大学都市研究プラザ 船場アートカフェ(辰野ひらのまちギャラリー)
〒541-0046 大阪府大阪市中央区平野町1丁目5-7 辰野平野町ビル地下1階
http://art-cafe.ur-plaza.osaka-cu.ac.jp/
出展写真家: 大城弘明、國吉和夫、平良孝七、比嘉豊光、比嘉康雄、松村久美、山城博明、吉岡 攻

■フィールドワーク「西成(釜ヶ崎)暴動を歩く」

期日: 2016年12月17日(土)
時間: 午後2:00~4:00
場所: 大阪市立大学都市研究プラザ 西成プラザ
〒557-0002 大阪市西成区太子1-4-3 太子中央ビル3F
https://www.ur-plaza.osaka-cu.ac.jp/satellite-office/fieldplazas/nishinari/
内容: 戦後24回発生した西成(釜ヶ崎)暴動に関する現場レクチャーと釜ヶ崎フィールドワーク
申し込み: 参加者上限は30名程度。希望者が多い場合は抽選します。12月10日(必着)までに下記連絡先に電子メールか(電話返信先を記した)葉書でお申し込みください。落選者には12日までに連絡します。
連絡先: 山﨑孝史
yamataka[at]lit.osaka-cu.ac.jp ([at]は@に変えて下さい)
〒558-8585 大阪市住吉区杉本3-3-138 大阪市立大学大学院文学研究科

■シンポジウム(人文地理学会政治地理研究部会第20回研究会)

期日: 2016年12月18日(日)
時間: 午後1:30~6:00
場所: 大阪市立大学都市研究プラザ 船場プラザ (辰野ひらのまちギャラリー)
〒541-0046 大阪府大阪市中央区平野町1丁目5-7 辰野平野町ビル地下1階
http://art-cafe.ur-plaza.osaka-cu.ac.jp/

第1部 シンポジウム「都市と暴動―都市はいかに暴動を生み出したか」

パネラー
山田實(NPO釜ヶ崎支援機構理事長)
「転換点としての90年西成(釜ヶ崎)暴動」
藤野裕子(東京女子大学准教授)「戦前東京の暴動と労働者文化」
山崎孝史(大阪市立大学教授、進行役)「基地の街コザと暴動を語る論理」

第2部 「コザ暴動」ギャラリートーク

パネラー
國吉和夫(写真家、元琉球新報記者)
小橋川共男(写真家)
比嘉豊光(写真家、雑誌編集者)
松村久美(写真家)
古堅宗光(元NPOコザまち社中幹事)
恩河 尚(沖縄国際大学非常勤、コメンテーター)
今 郁義(コザ暴動プロジェクト実行委員会、進行役)