「City, Culture and Society」(CCS)の刊行について

国際学術誌City, Culture and Societyの概要
City, Culture and Society(CCS)は、2010年より、大阪市立大学都市研究プラザが編集母体として創刊され、世界的学術出版社のエルゼビア社から発行され、文化創造と社会的包摂を旗印とし、都市のガバナンスとマネジメントを中心に扱っているグローバル学術誌である。本誌は、70名を超える海外の著名な研究者をボードメンバーに迎え、全世界を覆う編集ネットワークを構築しており、日本にのみならず世界的にみても国際学術誌として優れた編集体制を持ち、投稿数と利用数ともに年々増加している。
人文社会学分野において日本の有力大学が単独で国際的学術誌を編集するのは初めてであり、世界的に見ても有力学術誌の単独編集を行っている大学は、ハーバード大学、MIT、シカゴ大学等の世界最高峰の大学のみである。よって、CCSの継続発行により大阪市立大学の世界の学術界におけるプレゼンスが非常に高まり、投稿者・利用者数の逐年増加につれて大阪市立大学のグローバルプレステージも逐年増大すると言っても過言ではない。また投稿者・利用者は海外からのものが9割以上を占め、日本で編集されている人文社会学系の学術誌としては大変異例である。言い換えれば、世界からの期待と評価が非常に大きく高いと見なすことができよう。それに、都市研究分野の世界の有力学術誌でアジアに編集拠点があるものは本誌が初めてであり、唯一の存在である。本誌の創刊・継続発行によってアジアが欧米からの情報の受容者から発信者へと変貌する変化の魁となり得るであろう。

CCSの目標と範囲
21世紀は「都市の世紀」と呼ばれ、持続可能な都市、コンパクト・シティ、ポストモダン・シティ、メガシティ、創造都市など、様々なコンセプトが生まれており、百家争鳴の感がある。また、経済学や社会学などの社会科学や文化論などの人文科学、さらには都市工学や建築学・環境科学などの自然科学など、あらゆる科学の分野において都市論が展開されているが、複数の学問領域にまたがる研究についてはその必要性は叫ばれているものの、学問領域の壁に阻まれ、その実現には至っていないのが現状である。
CCSは、文化創造と社会的包摂を旗印とし、先端的な都市のガバナンスとマネジメントを中心テーマとして扱い、都市に関する先駆的な研究を推進し、課題に対応する新たな都市づくりのためのビジョンを提示し、都市行政に資することにある。
また、CCSは理論と実務の架け橋的役割を担い、実務に埋め込まれた理論を掘り起こし、本誌の3領域である、都市・文化・社会の相互関連の解明及びその結合により、新たな学際的パラダイムの促進を目標としているのである。言い換えれば、様々な市民知と学知の融合により、都市に新たなパラダイムシフトをもたらすことを目指しているのである。
CCSにとって特に興味深いのは、都市経済、文化創造、社会的包摂、社会的持続性、文化的技術、アーバンガバナンス、持続的都市、創造都市を含む。査読付き国際雑誌として、CCSは、経済学、ビジネス、会計学、計画学、政治学、建設学、地理学、社会学、歴史科学、カルチャースタディーズ、人口学や行政学などからの貢献を歓迎する。